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急配が使えないジェネリック医薬品

 

ジェネリック医薬品は良い点ばかりではありません。実際にはデメリットも存在しますが、「ジェネリック医薬品の問題点」に関してはほとんど知らされていないのが現状です。

 

そこで、ここでは敢えて「ジェネリック医薬品の問題点」に焦点を当てていきたいと思います。

 

 急配システムが使えないジェネリック医薬品(後発医薬品)
医薬品の供給問題としては薬局のキャパシティ越えがあります。1つの有効成分に対して、多くのジェネリックメーカーがそれぞれの商品を発売しています。

 

そのため、薬局側は1種類のジェネリックメーカーだけを常備しておけば良い訳ではありません。成分は同じであるが、メーカーだけが違う商品をいくつも用意しなければいけないのです。

 

ただし、何でもかんでも薬を置くわけにはいかないため、「目の前にある病院・診療所が主に使用する薬だけを置いておく」など、ある程度は商品を絞っておく必要があります。その結果、他の医療機関から意図しないジェネリックメーカーの処方せんが飛んでくることもあります。

 

薬局に薬が置かれていないため、この時に医薬品の在庫切れが発生します。

 

薬局が在庫切れを起こした場合、大抵は医薬品の卸売り会社に問い合わせをします。今から急いで薬を持ってきて欲しい事を伝え、お願いの仕方によっては多少離れていたとしても1時間以内に届けてもらうことも可能です。これを、「急配(きゅうはい)」と呼びます。

 

多くの薬局が医薬品卸の急配対応によって医薬品の在庫切れをしのぐ事ができます。

 

しかし、急配が使えるのも先発医薬品など、ある一定数の流通のある医薬品が対象となります。ジェネリック医薬品は医薬品卸にも在庫がない場合が多いため、急配を使えない事がほとんどです。

 

また、たとえ急配対応が出来なかったとしても、医薬品卸は午前中に注文すれば午後に商品が届き、午後に注文すれば翌朝には商品が届くように物流システムが組まれています。しかし、これも流通が少ないジェネリック医薬品では例外扱いとなります。

 

先発医薬品であれば、そのほとんどが注文して次の日までに商品が届くようになっています。それに対して、ジェネリック医薬品では医薬品卸の物流センターにさえ在庫を置いていないケースが多いです。その結果、薬局に商品が届くまで一週間程度かかってしまいます。

 

このように、ジェネリック医薬品を処方してもらったとしても、あまり流通していないジェネリック医薬品は薬局に置いていないことが多いです。さらに、前述の通り場合によっては、医薬品卸から薬が届くまでに一週間程度の時間が必要になることもあります。

 

昔に比べれば、ジェネリック医薬品の在庫切れ問題は改善しています。しかし、それでもまだ十分とは言えないのが現在の状況です。

 

医薬品は病気を治療するものであるため、患者さんは「今すぐ欲しい」と思っています。この状態を改善することもジェネリック医薬品の使命の一つです。

 

※当然、ジェネリック医薬品でもオリジナルな医薬品と変わらないくらい素晴らしいものはあります。しかし、ジェネリック医薬品には「問題点」があることも忘れないでください。

 

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