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注射剤のジェネリック医薬品は本当に安全か

 

ジェネリック医薬品は良い点ばかりではありません。実際にはデメリットも存在しますが、「ジェネリック医薬品の問題点」に関してはほとんど知らされていないのが現状です。

 

そこで、ここでは敢えて「ジェネリック医薬品の問題点」に焦点を当てていきたいと思います。

 

 注射剤のジェネリック医薬品は本当に安全か
経口薬であると、「先発医薬品と比べて血液中の薬物濃度推移が同じであるかどうか」を調べなければいけません。しかし、注射剤の場合はこれらの過程を免除することができます。

 

薬を口から服用する場合、腸から吸収されて全身を巡るようになります。この後、薬が代謝・排泄されていくことで徐々に薬の効果が消失していきます。このような過程を得るため、先発医薬品と同等であることを証明するために試験を行わなければいけません。

 

これが注射剤であると、血管内に直接薬を投与するために経口薬のような「薬が腸から吸収される」という過程がありません。そのため、「そもそも試験をしなくても先発医薬品と効果が同じである」と考えることができます。

 

理論的には先に述べた通りですが、注射剤も先発医薬品と比べて品質に問題があることがあります。これに関しては試験があまり行われていないため、要検討です。

 

 注射剤の場合はどちらかと言うと品質の方が問題となる
経口薬の場合は腸から薬が吸収される過程があり、肝臓で予め解毒された後に全身の血液を巡るように私たちの体は設計されています。しかし、注射剤であれば直接体内へ投与されるため、不純物などに対してはより厳しい基準が必要になります。

 

もし不純物として注射剤の中に異物・微粒子が混入していれば、アナフィラキシー作用を起こすかもしれません。ちょっとした毒素が含まれていると、ショック症状を引き起こしてしまいます。

 

そのため、注射剤ではこれらの物質が含まれていないように試験が行われています。

 

武庫川女子大学での報告によると、「注射剤によって混入されている不純物の量がジェネリック医薬品によって違う」という結果が出ています。胃潰瘍治療薬の先発医薬品とジェネリック医薬品を比較した研究です。

 

胃潰瘍の治療薬としてガスター注射液という薬があります。ドラッグストアに行くと、「胃の痛みにガスター10」として販売されていますが、これが注射になったものであると考えてください。

 

この研究では、先発医薬品であるガスター注射液とその他数種類のジェネリック医薬品に含まれる不純物を測定しています。その中で、「3製品のジェネリック医薬品において、先発医薬品よりも有意に不純物の量が多い」という結果が出ています。

 

ただし、最も不純物が多かったジェネリック医薬品であっても、不純物の含量は全体の0.1%以内です。そのため、このような不純物の違いが副作用としてどれだけの影響があったのかは不明です。「規格の範囲内であるために問題がない」と言われればそれまでですが、果たして本当にそれで良いのかという問題があります。

 

今回の研究結果によると、ジェネリック医薬品の中でも「先発医薬品と同じように、含まれる不純物が少ないジェネリック医薬品」も存在していることが判明しています。そのため、ジェネリック医薬品を使用するにしても、出来るだけ品質が確保された注射剤を使用したほうが安全です。

 

 注射剤のジェネリック医薬品による品質問題
他にも、広島大学病院で行われた研究では、流産や早産の予防として使用される薬を比較した結果が報告されています。

 

緊急に治療を必要とする切迫流産や早産の治療薬としてウテメリンという先発医薬品があります。この注射剤としてウテメリン注とジェネリック医薬品に含まれる不純物を比較したところ、ジェネリック医薬品には高い濃度で有意に不純物が多く含まれている事が明らかになっています。

 

さらに、「先発医薬品には含まれない成分がジェネリック医薬品で検出された」という事も分かっています。

 

今回の注射剤に関しては国立医薬品食品衛生研究所などが行った試験においても、一部のジェネリック医薬品に不純物が多くなっているという結果が報告されています。

 

注射剤としての規定には適合しているかもしれませんが、体内に直接投与する注射剤である以上はより品質の改善が必要になります。

 

なお、これらの報告を受けて不純物の含量が少ない注射剤へと改良したジェネリック医薬品もあります。最初から先発医薬品と同程度の品質を確保した注射剤を作って欲しいものですが、注射剤のジェネリック医薬品にはこのような問題点も隠されています。

 

なお、現在は販売が中止されていますが、先発医薬品ウテメリンのジェネリック医薬品としてフレムーブという薬が使用されていました。

 

このフレニーブという薬に関して、「注射をした周辺が腫れて痛みを伴う血管炎が5.3%の患者さんで発生した」と報告されています。それに対して、先発医薬品のウテメリンは0.4%の発生率です。

 

これに関しては、含まれている不純物の違いがあるかもしれませんし、添加物の違いによるものかもしれません。理由は分かりませんが、これだけの副作用発生率の違いがあります。

 

このように、ジェネリック医薬品の間でメーカーによって品質のバラツキがあることは確かです。

 

ジェネリック医薬品を使用するときであっても、実際にどのメーカーの商品を使用するのかについてはとても重要になります。

 

一見すると、注射剤は直接体内に投与され、血液によってすぐに薄められるために先発医薬品と比べて全てが同等であるように思えます。

 

しかし、不純物の含量などにまで着目すると、中には注射剤に含まれる不純物の量が大きく違うこともあります。

 

ただし、これらの薬の中でも先発医薬品と同じくらい含まれる不純物が少ないジェネリック医薬品もあります。そのため、ジェネリック医薬品へ変更するにしても、「どのメーカーのジェネリック医薬品を使用するか」はとても重要になります。

 

ジェネリック医薬品では「統計学上で効果が同等である」と判断されますが、薬の効果だけでなく副作用にも目を向けなければいけません。

 

※当然、ジェネリック医薬品でもオリジナルな医薬品と変わらないくらい素晴らしいものはあります。しかし、ジェネリック医薬品には「問題点」があることも忘れないでください。

 

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