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役に立つ薬の情報~専門薬学

添加物の成分は同じでも輸入元が違うだけで大きく異なる

 

ジェネリック医薬品による問題点として、添加物があります。添加物の違いにより、ジェネリック医薬品への変更によってアレルギー反応などが表れる事があります。

 

ただ注意しなければいけない点として、添加物の違いによる副作用の発生は「先発医薬品であっても同様に起こる」という事です。これは全ての医薬品に共通する事柄です。

 

もしかしたら「添加物の違いはそこまで大したことが無いのでは」と思っている人がいるかもしれません。そこで、事例を挙げて添加物の違いがどのような作用を示すか確認していきます。

 

 成分は同じでも輸入元が違うだけで大きく異なる
添加物に関しては先発医薬品もジェネリック医薬品も同じように起こる問題です。ここでは2006年に実際に起こった添加物による不都合な問題点について考えていきます。今回は睡眠導入剤を例に出して説明していきます。

 

なかなか眠れない患者さんに対して、寝つきを良くするために睡眠導入剤を使用することがあります。睡眠障害にも種類がありますが、その中でも布団に入って1時間以上眠れない状態が毎日続く人に対して、睡眠導入剤は使用されます。

 

このように、目が冴えてなかなか眠れない人に対して使われる薬としてハルシオンと呼ばれる薬があります。

 

このハルシオンですが、2006年に大規模な市場からの商品回収を行ったことがあります。もっと詳しく言えば、「ハルシオン0.125mg錠」に対して回収が行われました。

 

医薬品は商品として発売された後も溶出試験などを実施することによって、製品の品質が保たれているかどうかを試験します。その中で、ハルシオン0.125mg錠は規格に合わないことが判明しました。

 

薬を服用した後に体の中で適切に溶け出すかを調べる試験として溶出試験があります。この溶出試験を実施したところ、6ヶ月経過時点で薬の溶出時間が遅くなっていました。溶出試験を行ったところ、15分後の試験値が不適合となっていたのです。

 

それでは、なぜこのような自体に陥ったかと言うと、薬の添加物として含まれていた乳糖の「製造所」を変えたために起こったことが確認されています。

 

それまではオランダ製の乳糖でしたが、これをドイツの工場で作られた乳糖へと変えました。その結果、規格に合わなくなって回収という自体に陥りました。この時の回収対象品は3600万錠にも上るとされており、あらゆる医療機関で欠品が起こりました。

 

このように、「乳糖」という同じ成分を扱っているにも関わらず、製造元(輸入元)が違うだけで薬の溶出速度に大きな影響を与えてしまうことがあります。

 

さらに言えば、添加物の中でも、乳糖は医薬品のカサを増す賦形剤として用いられます。

 

 乳糖による賦形剤の役割
薬の有効成分だけを服用することは難しく、現実的ではありません。少し風が吹くだけで成分が飛ばされてしまいますし、薬が何処に行ったか分からなくなります。そのため、実際には添加物を加えることで、薬の見かけ上の体積を大きくします。このような添加物が賦形剤です。

 

ハルシオン0.125錠の中には、文字通り0.125mgの有効成分が含まれています。しかし、0.125mgでは量が少なすぎるため、服用が困難です。そこで、ここに乳糖を付け加えることで見た目の大きさを増やすのです。

 

添加物の中には「有効成分の溶解を助ける成分」もありますが、今回の乳糖の役割はあくまでもカサを増やす賦形剤です。錠剤の周りをコーティングしたり、薬を服用した後の崩壊を助けたりすることで、薬の溶出に関わることを意図した添加物ではありません。

 

しかし、このように薬の体積を増やすための乳糖の製造元が変わっただけでも、薬の規格が不適合になってしまうこともあるのです。

 

このような事実を認識すると、薬によって添加物が異なることの重要性が見えてくると思います。たかだか添加物の違いかもしれませんが、実はかなり重要な役割を果たしています。

 

添加物に関しては先発医薬品もジェネリック医薬品も同じように起きてくる問題です。今回のようなケースはごく稀かもしれませんが、実際に添加物の違いによって薬の効果に差が出てしまう可能性は十分にあります。

 

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