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役に立つ薬の情報~専門薬学

帯状疱疹の原因・症状と治療薬

 

水ぼうそうにかかったことのある人は、ある日皮膚の内側がピリピリし、小さな水ぶくれが出てきて帯のように広がっていくことがあります。

 

水ぶくれは体の左右どちらかだけに現れ、激しい痛みを感じます。皮膚が元に戻った後も痛みがひかずに続くことがあります。これが帯状疱疹です。

 

 帯状疱疹の原因と症状
帯状疱疹はウイルスによる感染症です。帯状疱疹ウイルスは水痘(水ぼうそう)ウイルスと同じものです。つまり、水痘ウイルスに感染すると水ぼうそうになります。

 

水ぼうそうの症状は5日程度で治りますが、ウイルスは死なずに残り続け、神経の間に隠れてじっとしています。やがて病気や薬を飲むなどしてヒトの免疫が下がると、再び動き出して神経を傷つけます。

 

このとき、ウイルスは神経を伝って皮膚の表面に現れます。活性化したウイルスが神経を傷つけながら皮膚表面に疱疹となって現れるので、疱疹の症状が生じたときにはすでに神経が傷つけられていることになります。ウイルスが潜伏する場所は、主に顔や背中、胸、腕などです。

 

帯状疱疹ウイルスが体内にあっても、普段は私たちの体にある免疫細胞がウイルスを抑えつけているので、ウイルスは活動しません。しかし、病気やストレス、年を取ることによって免疫細胞が弱まると、ウイルスは活発化してきます。特に年齢による発症が多く、70代で発症する人は20代の4倍近くに達します。

 

帯状疱疹にかかると、皮疹が出る数日から1週間前に神経痛のような痛みや違和感が起こります。その後、水ぶくれ(水疱)が帯のように広がり、激しく痛み始めます。

 

痛みは人によって異なりますが、多くは「焼けるような灼熱感」「突き刺すような痛み」「ピリピリした痛み」などが症状として表れます。

 

水疱は5日ほどで乾いてかさぶたになりますが、治った後も同じ所に痛みが残り、長く続くことがあります。これは帯状疱疹後神経痛と呼ばれる症状です。

 

刺激を受けると、神経は痛みを伝える物質を細胞に次々と渡していくことによって、脳に痛みを訴える仕組みになっています。

 

ウイルスに細胞を傷つけられると、神経の糸と糸がくっついて刺激が伝わりやすくなったり、痛みを伝える物質が多く作られるようになったりします。その結果、シャツがこすれるほどのわずかな刺激であっても、飛び上がるような痛みを感じたりするようになるのです。

 

 帯状疱疹の薬物治療
 ・抗ウイルス薬
帯状疱疹はウイルスによる病気なので、原因である水痘ウイルスを叩き、増殖を防いで神経の破壊を食い止めることが重要です。そのためには抗ウイルス薬を使います。

 

抗ウイルス薬には、アシクロビル(商品名:ゾビラックス)、バラシクロビル(商品名:バルトレックス)、ファムシクロビル(商品名:ファムビル)などの飲み薬を使います。抗ウイルス薬は水疱が現れてから3日以内に飲めば有効とされているので、薬局で薬をもらったらその場で飲むことをすすめる場合もあります。

 

 ・消炎鎮痛薬
帯状疱疹は非常に強い痛みを伴うため、痛みと炎症を抑える薬を使います。ヒトの体内では、炎症を起こしたり痛みを感じやすくする物質(プロスタグランジンなど)と、痛みを抑える物質が別々に作られ、複雑な仕組みで痛みをコントロールしています。

 

消炎鎮痛剤(NSAIDs)は、炎症や痛みを起こす物質が作られるのを抑える薬です。ロキソプロフェン(商品名:ロキソニン)、アセトアミノフェン(商品名:カロナール)などの飲み薬を使います。

 

 ・痛み止めの効果を助ける薬
消炎鎮痛剤と併用して痛みを和らげるための薬として、ステロイドや三環系抗うつ薬、抗てんかん薬があります。

 

ステロイドは、痛みや炎症の発生にかかわる仕組みを消炎鎮痛剤とは異なる方法で妨害し、効果を助けます。炎症を強力に抑えることで痛みを鎮めるのがステロイドです。ステロイドにはプレドニゾロン(商品名:プレドニン)などがあります。

 

三環系抗うつ薬は、一般的な抗うつ作用とは別に、ごくわずかな用量によって、痛みを抑える物質が体内で作られるのを助けます。三環系抗うつ薬にはアミトリプチリン(商品名:トリプタノール)やイミプラミン(商品名:トフラニール)などがあります。

 

抗てんかん薬は、神経細胞の興奮を抑えて痛みを和らげます。神経の過剰興奮が痛みに関わるため、こうした過剰興奮を抑制すれば痛みの軽減に繋がります。

 

また、中には神経興奮を抑えることで鎮痛作用を得ることに成功した医薬品も存在します。このような薬として、プレガバリン(商品名:リリカ)があります。プレガバリンは神経の痛みに対して幅広く活用されますが、帯状疱疹後に生じる神経痛に対しても活用されます。

 

これらの薬のほかに、医療用麻薬や抗不整脈薬、抗不整脈薬などを組み合わせて使うことがあります。最近は、がんによる痛みに使われるケタミン(商品名:ケタラール)、デキストロメトルファン(商品名:メジコン)の導入も検討されています。

 

消炎鎮痛剤と鎮痛補助薬は特に、帯状疱疹後神経痛の患者さんが痛みと共存しながら生活していくのに重要です。さまざまな種類の薬を使い分ける必要があるので、副作用や既往症に注意しながら飲み方をチェックしていくことになります。

 

また、水痘ウイルスワクチンや帯状疱疹ウイルスワクチンを接種することで、帯状疱疹を予防することができます。特に高齢者は帯状疱疹にかかりやすいので、早めの予防が大事になります。

 

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