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  医薬品の話

   骨粗しょう症の治療薬と予防

日本での寝たきりになるの原因の第二位が骨折です。この場合は寝たきりになるのだから、骨折部位は主に足となります。

それでは、骨折の原因の第一位は何かというと転倒によるものです。そして、第二位が骨粗しょう症によるものです。

骨粗しょう症になると手をついただけでも骨折してしまいます。この病気にならないために、日ごろから気をつけて予防することが大切なのです。そして、この骨粗しょう症に対する薬にはどのようなものがあるのでしょうか。

 骨粗しょう症の薬
最初に結論から言いますが、骨粗しょう症に対する治療薬は存在します。しかし、根本的に治療することのできる薬はまだありません。

骨粗しょう症を治療する方法は二つ考えられます。一つは骨芽細胞による骨の形成を促進させる方法です。もう一つは破骨細胞によるカルシウムの放出を防ぐ方法です。

しかし、残念ながら「骨芽細胞による骨の形成を促進させる薬」はまだありません。これが「骨粗しょう症を根本的に解決する治療薬はまだ存在しない」と述べた理由です。

骨粗しょう症の薬としてよく使われるビスホスホネートは破骨細胞の働きを抑制する薬です。他にもビタミンDを補給するなどで骨の形成を助けるようにするという方法があります。

 エストロゲン
女性では閉経後に骨量が急に減少します。これはエストロゲンがあまり分泌されなくなるからです。閉経するとエストロゲンの分泌量は減少してしまいます。

エストロゲンに対する受容体は骨芽細胞にも破骨細胞にもあります。そして、エストロゲンは骨芽細胞の働きを促進して、破骨細胞の働きを抑制します

ここで少しの矛盾が生じます。つい先ほど「骨粗しょう症を根本的に治療する薬はない」と言いましたが、エストロゲンは骨芽細胞に作用して骨形成を促進させる作用があります。それでは、エストロゲンを投与すれば骨粗しょう症を治療できるはずです。

その通りです。エストロゲンは骨粗しょう症の治療薬になります。しかし、現実では使用されていません。エストロゲンを使用するにはある問題があるからです。

女性のがんで乳がん・子宮がんはとても一般的です。そして、エストロゲンは乳がん・子宮がんのリスクを増大させてしまいます。そのため、長期投与ができません。

骨粗しょう症の治療のためにガンのリスクを背負うという選択肢は存在しなかったのです。

がんのリスクがなく、エストロゲンと同じ作用を示す薬ができれば骨粗しょう症の治療薬として広く普及することになるかもしれません。

 骨粗しょう症を引き起こす薬
ステロイド薬はリウマチやぜんそくなどに大きな効果を発揮します。しかし、薬によっては骨の形成を阻害してしまいます。これによって骨粗しょう症になりやすくなるのです。

例えば副腎皮質から放出されるステロイドホルモンの糖質コルチコイドは次のような作用をします。

@小腸からのカルシウム吸収の抑制
A尿細管でのカルシウムの再吸収の抑制
B性腺ホルモン分泌の抑制

@の作用はカルシウムが栄養として体内に取り込まれるのが阻害されます。Aではカルシウムが体外に放出されやすくなります。Bでは性ホルモン(エストロゲンなど)による骨形成の促進がなくなります。

骨粗しょう症を予防したいなら、今飲んでる薬が骨に対してどのような影響を与えるかを調べるのも一つの方法かもしれません。