胃潰瘍の治療
胃潰瘍とは胃の粘膜がある条件によって消失してしまう病気です。この粘膜は胃酸から守る役目を果たしています。そのため、この粘膜が消失すると胃の壁が胃酸によって侵食され、痛みを伴います。時には血管までもダメージを与えて出血することもあります。
胃潰瘍の場所から胃がんが発生することだってあるのです。
胃の性質
胃は食物を分解する器官です。胃の中は高濃度の塩酸を含んでおり、強い酸性となっています。
この酸性のために、多くの微生物は殺されてしまいます。この作用によって有害な微生物から私達の体を守ってくれています。
潰瘍の形成
強い酸性から守るために、胃の壁は粘膜によって守られています。つまり、この粘膜は胃液から守ってくれるバリアーの役割を果たしています。
もしこのバリアーがうまく機能しなくなれば、胃の組織が高濃度の酸により炎症を起こし潰瘍になります。特に胃の中に食物がないときに胃液が多く分泌されれば潰瘍を起こしやすくなります。
この原因はアルコールを多く摂取することやストレスによります。
潰瘍の治療
潰瘍の治療薬としては「H2ブロッカー」が有名です。この薬は胃酸の分泌を抑制します。胃酸が多く分泌されることで潰瘍になるなら、胃酸の分泌を抑えてしまうという考えです。
この胃酸の分泌を抑えるH2ブロッカーよりも強力な薬が「プロトンポンプ阻害薬」です。この薬はほぼ完全に胃酸の分泌を抑えることができます。
潰瘍は胃酸の分泌を抑制することで治療します。
ピロリ菌の発見
2005年のノーベル医学・生理学賞の受賞者がまさにこのピロリ菌の発見者です。当時、「強い酸性ではいかなる生物も生存できない」ということが常識でした。
この常識を覆したのがピロリ菌の発見です。
H2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬により胃潰瘍を治療できるようになりました。しかし、以前までは胃潰瘍を治療したにもかかわらずたびたび再発することがありました。
当時の研究者たちはこの原因が全く分かりませんでした。
この原因はピロリ菌によるものでした。ピロリ菌はアンモニアを生成する酵素により胃の高濃度の酸性でも生存できるように進化してきました。この菌の毒素により胃潰瘍を誘発します。
胃酸のように強い酸性の中で菌が活動しているとは思いもしなかったのです。
彼らはピロリ菌を自ら飲んで潰瘍を起こし、この菌が胃潰瘍の原因だと証明しました。
そのため、潰瘍を治すには胃酸の分泌抑制薬とピロリ菌を殺す抗生物質などが必要となります。

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