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  医薬品の話

  抗生物質の発見

抗生物質とは「細菌が自分を守るために産生する、他の細菌を殺す物質」を指します。つまり、抗生物質は細菌から見つけ出す必要があります。なお、この作用を利用して、私たちは細菌に対抗しているのです。

そして、新しい抗生物質を見つけ出すにはどのようにすればいいのでしょうか。

 新しい抗生物質
結論から先に申し上げますと、新しい抗生物質を見つけ出すのはかなり困難です。なぜかというと、細菌は既に調べつくされているからです。

現在、抗生物質の開発と言えば「元の抗生物質の構造を少し変えて、その作用を見る」というものです。新しい抗生物質の開発は全くと言っていいほど行われていません。

2000年に「リネゾリド」という全く新しい骨格をもつ合成抗菌薬が登場しましたが、新規の抗菌薬が開発されたのは35年ぶりの出来事でした。

 リネゾリド

 抗生物質の開発
「細菌は調べつくされた」と述べましたが、抗生物質が発見される可能性がゼロという事ではありません。

「同定できる細菌が調べつくされた」というだけであり、まだまだ同定できていない細菌はたくさん存在します。

実は、現在同定することのできる菌は約1割と言われています。なぜ同定できないかというと、培養するのが難しいからです。

培養することができないければ、その菌を調べることさえできません。

これらの菌を培養することができるようになればどうでしょうか。もし、培養することに成功すれば、使用できる抗生物質の数は飛躍的に多くなります。

単純に計算して、使用することのできる抗生物質は現在の約9倍となります。

なお、現在培養することのできない細菌の例として、ハンセン病を起こす「らい菌」や梅毒の原因菌である「梅毒スピロヘータ」などがあります。