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ジェービックV(日本脳炎ワクチン)

 

日本脳炎はウイルス感染症の1種であり、日本脳炎ウイルスによって引き起こされます。日本脳炎ウイルスに感染した蚊に刺されることで感染し、発症します。

 

そこで、日本脳炎の発症を抑えるために使用される日本脳炎ワクチンとしてジェービックVがあります。

 

 日本脳炎とは
蚊に刺されることで日本脳炎に感染したとしても、その多くは何も症状が表れません。ウイルスに感染後、日本脳炎を発症する割合は0.1~1%であるとも言われています。ただし、実際に日本脳炎を発症してしまうと脳炎が起こり、けいれんや意識障害が起こります。

 

ウイルス感染してリンパ組織で増殖し、血液中にウイルスが検出されるウイルス血症を引き起こします。本来は血液中にウイルスが検出されることはありませんが、ウイルス血症では日本脳炎ウイルスが血液中に漂うことになります。このウイルスが脳に移動することにより、脳炎を引き起こします。

 

日本脳炎は「ウイルスに感染した豚の血液を吸った蚊」によって媒介されるため、養豚所など豚の多い地域では注意が必要になります。日本脳炎の発症による死亡率は15%ほどであり、生き残ったとしてもその半数程度の方に麻痺などの重篤な障害が残ります。

 

日本脳炎はウイルス感染症であり、日本脳炎ウイルスに対抗するための抗ウイルス薬は存在しません。対処法としても点滴などの対症療法を行い、けいれんが表れている場合は抗けいれん薬などを投与します。そして、後は自然による回復を待つのみとなります。

 

 ジェービックV(日本脳炎ワクチン)

 

このように日本脳炎は治療法がなく、死亡率や後遺症が残る率が高いため、病気を発症しないためにもワクチンの接種が重要になります。この時に使用されるワクチンの商品名がジェービックVです。

 

 

 ジェービックVの特徴
日本脳炎ウイルスを死滅させ、不活性化させたものを接種することで免疫をつけさせるワクチンがジェービックVです。合計3回接種することにより、日本脳炎ウイルスに対抗するための免疫を獲得できます。

 

従来の日本脳炎ワクチンはマウスの脳を使用してワクチンを生成していました。しかし、マウスの脳を使用していることから、マウスの脳成分が残ってしまうなどの品質面に不安がありました。

 

実際、この頃のワクチンを使用することで脳や脊髄に障害が表れる「急性散在性脳脊髄炎(ADEM)」が問題となりました。

 

そこでマウスの脳を使用せず、細胞培養によって日本脳炎ウイルスを増殖させる方法を開発し、安全性の高いワクチンとしてジェービックVが発売されました。

 

ジェービックVはチメロサールなどの保存剤を有してなく、従来の日本脳炎ワクチンを改良することでより安全に使用することができます。

 

このような特徴により、日本脳炎ウイルスによる重篤な感染症を防ぐワクチンがジェービックVです。対処法がワクチンしかないため、日本脳炎ワクチンの接種を受けることが重要になります。

 

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