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役に立つ薬の情報~専門薬学

ベネット、アクトネル(リセドロン酸)の作用機序:骨粗しょう症治療薬

 

骨がスカスカになることによって骨折が起きやすくなる病気として骨粗しょう症があります。これを回避するため、骨粗しょう症患者に対しては骨を強くさせる薬を使用することがあります。

 

この骨粗しょう症治療薬の中でも、ビスホスホネート製剤(BP製剤)と呼ばれる種類の薬があります。このビスホスホネート製剤(BP製剤)の1つとして、リセドロン酸(商品名:ベネット、アクトネル)があります。

 

 

 リセドロン酸(商品名:ベネット、アクトネル)の作用機序
骨は常に「新しく作られる過程」と「壊される過程」を繰り返しています。前者を骨形成と呼び、後者を骨吸収と呼びます。

 

正常な人では、この骨形成と骨吸収のバランスが保たれています。しかし、骨粗しょう症患者では何らかの原因によって、骨が壊される過程である骨吸収の方が有意になっています。そのために発量が減少して、骨がスカスカになっていきます。

 

 骨粗しょう症の状態:骨吸収と骨形成

 

骨吸収として骨が壊されていくために骨量が減少してしまいます。そこで、この骨量の減少を抑えます。すると、骨が壊されていく過程が抑制されるため、骨量を上昇させることができます。

 

骨が壊れていく骨吸収には、破骨細胞と呼ばれる細胞が関わっています。そのため、この破骨細胞の働きが抑えられれば、骨吸収も抑制されるはずです。

 

 ビスホスホネート製剤(BP製剤)の作用機序

 

破骨細胞に直接働きかけることによって骨吸収を強力に抑制する薬がビスホスホネート製剤(BP製剤)です。このビスホスホネート製剤(BP製剤)として、リセドロン酸(商品名:ベネット、アクトネル)が使用されます。

 

 

 ビスホスホネート製剤(BP製剤)の服用方法
食後に服用する薬が大半ですが、ビスホスホネート製剤(BP製剤)の場合は朝起きてすぐに服用します。その後、30分は飲食を避けなければいけません。この理由として、「ビスホスホネート製剤(BP製剤)は腸からの吸収が悪い」ことがあります。

 

食事の影響を受ける薬はたくさんありませんが、その中でもビスホスホネート製剤(BP製剤)は特に食事の影響を受けやすいです。ただでさえ腸からの吸収が悪い薬ですが、飲食物が存在することによってさらに吸収が悪くなるのです。

 

そのため、胃の中が空っぽになっている起床後に薬を服用し、その後30分は飲食物を口にしない必要があります。薬を服用してから飲食までの時間が30分以上であれば、1時間後や2時間後に飲食をしても問題ありません。

 

このビスホスホネート製剤(BP製剤)ですが、「薬と一緒に飲むコップ一杯の水」にも注意する必要があります。それは、ミネラルウォーターと一緒に服用する場合です。

 

ミネラルウォーターには、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含まれています。「腸からビスホスホネート製剤(BP製剤)が吸収される過程」をこのミネラルが抑制してしまうのです。そのため、薬の服用には単なる水と一緒に飲まなければいけません。

 

 ビスホスホネート製剤(BP製剤)の特性

 

このように、服用に細かい決まりのある医薬品としてリセドロン酸(商品名:ベネット、アクトネル)がありますが、この薬は強力な骨折予防効果を期待して使用される医薬品です。

 

薬の服用に関して、「毎日服用するタイプ」、「1週間に1回服用するタイプ」、「月に1回服用するタイプ」など様々な種類があります。

 

服用に関して日が空いてしまう場合、「1週間に1回服用」は同じ曜日に服用する、「月に1回服用」は同じ日に服用するなど、予め定めた日に服用することで飲み忘れを防ぎます。

 

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