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オイラックス(クロタミトン)の作用機序:そう痒(かゆみ)治療薬

 

湿疹や蕁麻疹など、皮膚にかゆみを生じることがあります。かゆみを難しい言葉で「そう痒」といいます。そう痒があると、皮膚をかいてしまいます。そこから細菌などが侵入し、さらにかゆみが悪化するという悪循環に陥ります。

 

そこで、そう痒を抑えるために使用される薬としてクロタミトン(商品名:オイラックス)があります。クロタミトンは疥癬(かいせん)の治療薬として用いられることもあります。

 

 

 クロタミトン(商品名:オイラックス)の作用機序
アトピー性皮膚炎や蕁麻疹などでかゆみが起こるのは、免疫の働きが関与しています。免疫がアレルギーを引き起こすヒスタミンと呼ばれる物質を放出すると、かみみを生じます。そこで、かゆみを抑える薬としては、ヒスタミンの働きを抑える「抗ヒスタミン薬」が使用されます。

 

他には、局所麻酔薬によってもかゆみが治まります。かゆいと感じるためには、「腕や足がかゆい」というシグナルが脳にまで到達する必要があります。脳が判断することで、ようやくかゆみを認識するのです。

 

そこで、「かゆい」というシグナルが脳へ伝わらないようにすれば、そう痒はなくなります。これが、局所麻酔薬による作用です。

 

クロタミトン(商品名:オイラックス)の作用は、これら抗ヒスタミン薬や局所麻酔薬とは異なる作用によってかゆみを抑えます。詳しい作用機序は明らかになっていませんが、クロタミトンは皮膚に軽い灼熱感を生じさせます。このときの刺激がかゆみを打ち消すと考えられています。

 

 オイラックス(クロタミトン)の作用機序:そう痒(かゆみ)治療薬

 

このような考えにより、詳しいメカニズムは分かっていないものの、かゆみに対して活用される薬がクロタミトン(商品名:オイラックス)です。

 

 

 クロタミトン(商品名:オイラックス)の特徴
クロタミトン(商品名:オイラックス)の作用はマイルドであり、副作用はほとんどありません。軽い湿疹や蕁麻疹、虫刺されなどに対してクロタミトンが利用されます。ただ、強力にかゆみを抑えたい場合、ステロイドの外用剤などが使用されます。

 

また、クロタミトン(商品名:オイラックス)は疥癬の治療にも使用されます。疥癬はダニの一種であり、ヒトの皮膚に寄生することで病気を引き起こします。疥癬では、皮膚に皮疹がみられるようになり、強いかゆみを引き起こします。

 

クロタミトン(商品名:オイラックス)は疥癬の原因となるダニを死滅させる働きがあります。なぜクロタミトンが疥癬の病原虫を殺すのか明らかではありませんが、抗寄生虫作用を有していることは確かです。病気を発症している患部に薬を塗ることで、疥癬を治療していきます。

 

このような特徴により、作用は穏やかであるものの、皮膚のかゆみや疥癬を生じたときに使用される薬がクロタミトン(商品名:オイラックス)です。

 

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