役に立つ薬の情報~専門薬学 | 薬・薬学・専門薬学・薬理学など

役に立つ薬の情報~専門薬学

セララ(エプレレノン)の作用機序:高血圧治療薬

 

血液を全身に送り届けるため、血圧は必ず必要となります。ただし、この時の血圧が高すぎると脳卒中や心筋梗塞などのリスクとなります。

 

そのために食事療法や運動療法などによって血圧を下げます。しかし、それでも不十分な場合は薬を使用します。

 

この時に使用される薬としてエプレレノン(商品名:セララ)があります。エプレレノンは選択的アルドステロン阻害薬と呼ばれる種類の薬になります。

 

 

 選択的アルドステロン阻害薬の作用機序
血圧を下げる概念はとても単純です。それは、「血圧を上昇させる物質」の働きを抑えてしまえば良いのです。

 

私たちの体にはさまざまな生理物質が存在しています。その中には先に挙げたように、血圧を上昇させるように働く物質も存在します。このような物質の一つとしてアルドステロンがあります。

 

アルドステロンの作用としては、腎臓に働きかけることでナトリウムの再吸収を促します。ナトリウムと水は一緒に移動する性質があるため、ナトリウムの再吸収が促進されると水分も同じように体内に吸収されます。これによって、体内に流れる血液の量が多くなって血圧が上がります。

 

このような作用によって血圧を上昇させる生理物質がアルドステロンです。

 

 アルドステロンの作用機序

 

それでは、アルドステロンのような血圧を上げる生理物質を働けなくさせてしまえば、血圧の上昇を防ぐことができるはずです。この考えに基づいて創出された薬がエプレレノン(商品名:セララ)です。

 

アルドステロンは腎臓においてナトリウムの再吸収を促進させることで、水の再吸収も促します。そのため、アルドステロンを阻害することは結果として水の再吸収の抑制に繋がります。つまり、アルドステロンの阻害薬は利尿薬としての働きをします。

 

 

 エプレレノン(商品名:セララ)の特徴
アルドステロンが作用する受容体は腎臓以外にも、心臓や血管壁、脳など全身に存在することが分かっています。アルドステロンがこれらの受容体に働きかけることにより、心臓や血管の線維化、心肥大、腎障害に関与することが報告されています。そして、血圧も上昇させます。

 

このような事から、心臓や血管に作用する物質としてアルドステロンは重要となります。

 

そこで、先に挙げたアルドステロンの作用を選択的に阻害するエプレレノン(商品名:セララ)を投与します。エプレレノンがアルドステロンの作用を抑制し、その結果として血圧上昇を抑制します。また、心臓や血管、腎臓などの臓器障害も抑えることができます。

 

なお、同じようにアルドステロン受容体を阻害する薬としてはスピロノラクトン(商品名:アルダクトンA)などがあります。

 

しかし、スピロノラクトンはアルドステロン受容体に対する選択性が低く、他の受容体まで阻害してしまいます。そのため、月経不順や女性化乳房などのホルモン系に関わる副作用が出てしまいます。

 

これに対して、エプレレノンはアルドステロン受容体に対する選択性が高いです。そのため、先に挙げた副作用を軽減できると考えられています。

 

エプレレノンの注意点としては、血液中のカリウム濃度が高くなりやすいことにあります。そのため、高カリウム血症には注意しなければいけません。

 

このような特徴により、高血圧を治療する薬がエプレレノン(商品名:セララ)です。エプレレノンは日本初の選択的アルドステロン阻害薬になります。

 

スポンサードリンク




スポンサードリンク