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役に立つ薬の情報~専門薬学

カデュエット(アマルエット)の作用機序

 

生活習慣病として高血圧や脂質異常症(高脂血症)などが知られています。これらの病気は動脈硬化を引き起こし、血管の状態を悪くさせることで脳卒中や心筋梗塞などのリスクを高めます。

 

そこで、高血圧と脂質異常症の両方を1剤で治療する薬としてアマルエット(商品名:カデュエット)が使用されます。アムロジピン・アトルバスタチンという2つの有効成分が合わさった合剤であり、アムロジピンはカルシウム拮抗薬、アトルバスタチンはHMG-CoA還元酵素阻害薬と呼ばれる種類の薬になります。

 

 

 アマルエットン(商品名:カデュエット)の作用機序
 ・アムロジピン:カルシウム拮抗薬
血圧が高くなる機構の1つとして「血管の収縮」があります。血管内が細くなってしまうため、その分だけ血圧が高くなってしまいます。

 

この時、血管収縮に関わる物質としてカルシウムがあります。骨の成分だけでなく、カルシウムは生体機能にも大きく関わっています。血管にはカルシウムが流入するための受容体が存在しており、受容体を介してカルシウムが入ってくることで血管が収縮します。

 

そのため、受容体を阻害することでカルシウムの流入を抑制すれば、血管を拡張させることができます。その結果、血圧が下がります。

 

 カルシウム拮抗薬の作用機序

 

このように、血管拡張作用によって高血圧を治療する薬としてアムロジピンがあります。カルシウムの作用に拮抗するため、アムロジピンはカルシウム拮抗薬と呼ばれます。

 

 ・アトルバスタチン:HMG-CoA還元酵素阻害薬
脂質が多くなる病気として脂質異常症があり、動脈硬化が引き起こされます。この中でもコレステロールが問題となりますが、コレステロールの大部分は体内で合成されます。そのため、生体内でのコレステロール合成を抑えれば、血液中のコレステロール値を是正することができます。

 

この時、コレステロールが合成される過程の中で最も重要となる酵素としてHMG-CoA還元酵素があります。この酵素がコレステロールが作られるときの速度を決定しているため、HMG-CoA還元酵素を阻害すれば体内のコレステロール合成を止めることができます。

 

 HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系薬剤)の作用機序

 

このように、コレステロール合成で重要となる酵素を阻害することで脂質異常症(高脂血症)を改善する薬がアトルバスタチンです。そして、アムロジピンとアトルバスタチンの両方を合わせた配合錠がカデュエットです。

 

 

 アアマルエット(商品名:カデュエット)の特徴
高血圧は血管に大きなストレスを与え、脂質異常症などによって血管壁に脂質が沈着することで動脈硬化が進行します。そのため、高血圧と脂質異常症を併発すると脳・心血管疾患(脳卒中、狭心症、心筋梗塞など)の危険性が高まります。

 

そこで、高血圧と脂質異常症に対する2つの有効成分を含むことにより、高血圧と脂質異常症を同時に治療する薬がアムロジピン・アトルバスタチン(商品名:カデュエット)です。

 

アムロジピンはノルバスクまたはアムロジンという商品名で販売されており、脳や心臓、腎臓などあらゆる臓器の血管を拡張させて血圧を下げます。カルシウム拮抗薬の中でも特に副作用が少なく、作用時間も長いことが知られています。

 

アトルバスタチンはリピトールという商品名で販売されています。ストロングスタチンと呼ばれており、血液中の脂質を大幅に改善させる作用が知られています。

 

このような特徴により、一度に2つの病気を改善する薬がアマルエット(商品名:カデュエット)です。

 

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