アガリクス
「アガリクスで末期ガンが消滅する」という内容の本を出版し、薬事法に触れ逮捕された事件がありました。しかも、この本で紹介された体験談のほとんどがウソでした。
アガリクスは薬ではありません。ましてや健康食品は医薬品ではありません。そのため、病気に対して有効性や安全性を詳しくは調べていないものが多いです。
アガリクスだけを服用してガン細胞が消えることは100%ありません。広告を見ると効果が誇張されていることがよくあります。
本や新聞に書かれていることを参考にするのは大切です。しかし、全部信じることは大変に危険です。そこに書かれている情報が真実かどうかをあなたは見極める必要があります。
アガリクスの効果
アガリクスはキノコの一種です。「ガンが治ることは絶対にない」と書きましたが、全く効果がないわけではないとは思います。
普通、ガンの治療にはガンに侵されている部分を切除します。他にも放射線や抗がん剤での治療が考えられます。これらの方法が医療現場では重要になってきます。
アガリクスは直接がん細胞を攻撃することはありません。また、多くの広告に「私達が本来もっている病気と闘う力を引き出し、免疫力を高める効果がある」と書かれています。
しかし、そんな事を言うと葛根湯でもガンに効くことになります。なぜなら葛根湯も免疫力を高める作用をするからです。
現在の医療技術でもガンが100%の確率で治ることはありません。まして、健康食品ではなおさらです。
β-グルカン
アガリクスの広告を見ると、β-グルカンという言葉をよく目にします。それでは、「β-グルカンって何ですか?」と聞かれたらあなたは戸惑いませんか。新聞や広告に書かれているからとりあえず体にいいのではないかと思っていませんか。
β-グルカンとは糖のことです。デンプンは糖の一種で体の中で分解され吸収されることは誰でも知っていると思います。しかし、私達の体はβ-グルカンを分解できません。分解されないということは体に吸収されないということです。
生化学を習っている人なら「β-グルカンとは糖同士がβ結合で繋がっている多糖類」といった方が分かりやすいかもしれません。セルロースはβ結合をもつ多糖類です。動物はβ結合を切る酵素をもっていません。草食動物は体の中に飼っている微生物に分解してもらいます。
このβ-グルカンが免疫力を高めると言われているのです。しかし体に吸収されないとなるとその効果には疑問が残ります。β-グルカンが体に吸収されない点では食物繊維と同じです。

私は「アガリクスの効果の多くはプラセボ(にせ薬)効果にある」と思っています。アガリクスはかなり高価です。患者は「これだけ高い値段を払っているのだから必ず効果があるはずだ」と思います。その思い込みによって症状が改善するのです。
ただ単に、このプラセボ効果ががんに効いているのではないかということです。実際にプラセボ効果はかなりの効果があります。そのためアガリクスを飲む際に「効くはずない」と思えば効果がないかもしれません。
がん患者でも「残りの人生を自分が心から楽しいと思うことに打ち込めば、宣告された寿命よりもはるかに長く生きることができた」という話は実際にあります。アガリクスに頼るよりも楽しく生きた方が自分にとってもかなりプラスになるはずです。
健康食品に医薬品並の効果を期待してはいけません。健康食品はただ単に食品でしかないのです。
なお厚生労働省はアガリクスに「がんを抑制する作用」や「免疫力を高める作用」などの有効性をヒトに対して確認していません。
アガリクスに発がん性!!
2006年2月13日に厚生労働省は「アガリクス」を含む3製品を調べました。すると1製品にラットに対して発がんを促進する作用があるとして、その会社に販売停止と自主回収を要請しました。なお、アガリクス製品による明確な健康被害はまだ報告されていません。
またラットに発がん性が認められたが、これが「ヒトに対して発がん性がある」とは言い切れません。
この事実をどう受け取るかはあなたの自由です。それでも使い続けるならそれでもかまいませんし、使うのをやめるのもかまいません。
もしかするとあなたが使用している健康食品は、あなたが期待している効果と真反対の副作用をもっているかもしれません。広告に書かれていることは必ずしも真実ではありません。私がこのサイトの「はじめに」で紹介した「さまざまな情報の中から、どの情報が真実かを自分で見極める」ことがあなたは実践できていますか。

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