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自己免疫疾患、免疫不全症

 

 

 自己免疫疾患とは
普通、免疫系は自分自身に対して攻撃しないようになっている。しかし、何らかの原因によって自己抗原やリンパ球によって細胞が傷害されることがある。これによって病気が起こるとき自己免疫疾患という。

 

なお、自己免疫疾患の代表的なものとして全身性エリトマトーデス(SLE)関節リウマチ(RA)がある。

 

・全身性エリトマトーデス(SLE)
全身性エリトマト―デス(SLE)は自己免疫疾患の一つであり、様々な臓器に対して障害を起こす。これは、フィブリノイド変異を起こしているためである。血管が破れ、血漿タンパクが組織に沈着することをフィブリノイド変異という。

 

全身の結合組織に自分自身に対して結合する抗体を自己抗体というが、SLEではこの自己抗体が検出される。

 

アレルギー症状としてはⅡ、Ⅲ、Ⅳ型の症状がでる。なお、SLEによる腎炎はループス腎炎と呼ばれる。

 

・関節リウマチ(RA)

 

関節リウマチは全身性の自己免疫疾患である。

 

関節リウマチでは慢性的に関節炎(滑膜炎)が起こり、関節障害が起こる。病変部位は滑膜である。これらの障害にはマクロファージ、B細胞、T細胞、好中球などさまざまな細胞が関与する。

 

マクロファージ、B細胞などの抗原提示細胞が活性化されると抗原をヘルパーT細胞に提示する。活性化したヘルパーT細胞はB細胞を活性化して抗原を産生するようになる。このとき、B細胞はリウマトイド因子を産生する。

 

なお、リウマトイド因子とはIgGに対する自己抗体であり、複合体を形成する。このような複合体が好中球によって貪食され活性化する。活性化した好中球はプロスタグランジン、リソゾーム酵素、活性酸素などを産生し、組織に対して障害をもたらす。

 

また、マクロファージが活性化するとIL-1、TNF-αなどのサイトカインを産生する。これらのサイトカインは滑膜細胞の増殖や骨破壊を起こす。また、IL-1はT細胞の活性化を起こす。さらに、IL-6はB細胞の分化を促進させ、リウマトイド因子の産生を増大させる。

 

 免疫不全症

 

免疫不全症とはマクロファージ、T細胞、B細胞などの免疫を司るいずれかの機能が「機能しない」または「機能低下している」という状態である。

 

免疫不全症には原発免疫不全症続発免疫不全症の二種類に分けることができる。原発性が生まれながらにして免疫不全を患っている場合であり、生まれた後に何らかの原因で免疫不全に陥る場合が続発性である。

 

・原発性免疫不全症
原発性免疫不全症の例としてADA欠損症がある。ADA(アデノシンデアミラーゼ)は核酸の代謝に関わる酵素であり、アデノシンを分解してイノシンを生成する働きをしている。

 

この酵素が先天的に欠損している場合、デオキシアデノシン(dATP)が蓄積する。

 

核酸を代謝する酵素の一つにヌクレオチダーゼがあるが、リンパ球ではヌクレオチダーゼの活性が低い。そのため、アデノシンの代謝はほとんどADAに依存する形となっており、ADA欠損症の患者ではdATPが蓄積してしまうのである。

 

 ADA欠損症

 

dATPが蓄積するとde novo合成による「NDP→dNDP」への変換過程を阻害してしまう。つまり、dNDPを合成できなくなる。これによってDNA合成に必要なヌクレオチドが合成できなくなり、結果としてリンパ球の発生が阻害される。このとき、dATPだけは豊富に存在している。

 

・後天性免疫不全症候群(AIDs)
遺伝的なものではなく、HIVウイルスによって起こる免疫不全症が後天性免疫不全症候群である。

 

 HIV:Human Immunodeficiency Virus
 AIDs:Acquired Immunodeficiency Syndrome

 

HIVウイルスの粒子の外側にはgp41,gp120というタンパクがある。

 

 HIVウイルス

 

gp120はCD4と親和性があるため、ヘルパーT細胞と結合する。これによってHIVウイルスはT細胞に存在する補助受容体と結合できるようになる。

 

この補助受容体はケモカインレセプターの一種である。T細胞にはCXCR4という補助受容体があり、この補助受容体とHIVウイルスが結合する。

 

なお、マクロファージにもCD4が存在する。HIVがマクロファージに感染するとき、CCR5という補助受容体を利用する。

 

補助受容体に結合すると、gp120とgp41が離れる。gp41の先端は疎水性が高いため、細胞膜と親和性が高い。そのため、容易に細胞内に入ることができるのである。このようにしてHIVウイルスはヘルパーT細胞やマクロファージに感染する。

 

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