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役に立つ薬の情報~専門薬学

キラーT細胞、NK細胞、K細胞、LAK細胞による細胞の破壊

 

 成熟キラーT細胞への分化
前駆体のキラーT細胞が活性化して成熟キラーT細胞になるには、抗原提示細胞からのMHCクラスⅠ分子への結合やヘルパーT細胞からのIL-2(インターロイキン2)などが必要である。

 

抗原提示細胞(マクロファージなど)は細菌やウイルス感染細胞の断片を取り込み、抗原ペプチドを分解する。分解した抗原ペプチドはそれぞれMHCクラスⅠ、MHCクラスⅡに結合させて細胞表面に提示される。

 

MHCクラスⅡとヘルパーT細胞のCD4が結合すると、ヘルパーT細胞が活性化する。活性化したヘルパーT細胞はIL-2(インターロイキン2)を産生する。

 

キラーT細胞は抗原提示細胞の細胞表面に存在するMHCクラスⅠ分子と反応し、ヘルパーT細胞からのIL-2(インターロイキン2)の作用によって成熟キラーT細胞へと分化する。このようにしてキラーT細胞は活性化し、ウイルス感染細胞を破壊するようになる。

 

 キラーT細胞の活性化

 

①抗原提示細胞が細菌やウイルス感染細胞の断片を取り込む。
②抗原ペプチドを分解して、MHCクラスⅠ・MHCクラスⅡに提示する。
③ヘルパーT細胞がMHCクラスⅡを認識して活性化。IL-2を産生する。
④キラーT細胞がMHCクラスⅠを認識、ヘルパーT細胞からのIL-2の作用を受けて活性化する。

 

また、この経路以外でキラーT細胞が活性化することがある。

 

ヘルパーT細胞が活性化すると、ヘルパーT細胞の表面にはCD40リガンド(CD154)が表れる。ヘルパーT細胞のCD40リガンドと抗原提示細胞表面にあるCD40が結合すると、抗原提示細胞は活性化してIL-12(インターロイキン12)を産生する。

 

このIL-12が抗原提示細胞表面に提示されているMHCクラスⅠと反応しているキラーT細胞に作用すると、キラーT細胞は活性化する。

 

 キラーT細胞の活性化

 

 キラーT細胞による細胞破壊
キラーT細胞はウイルスに感染した細胞を破壊するが、ウイルスに感染した細胞はMHC分子の発現が低下している場合がある。

 

インターフェロンはMHC分子の発現を高める働きがあり、ウイルス感染細胞でのMHC発現を促す。また、インターフェロンにはウイルスのタンパク質合成を抑える作用やキラーT細胞の働きを高める作用もある。インターフェロンはIL-2、IL-12などのサイトカインによっても誘導される。

 

キラーT細胞が感染細胞を破壊するには、二通りの方法がある。一つはパーフォリン/グランザイムによる破壊で、もう一つはFas/Fasリガンドによる破壊である。

 

・パーフォリン/グランザイム経路
キラーT細胞が抗原と結合したMHCクラスⅠをT細胞レセプター(TCR)で認識すると、パーフォリングランザイムを放出する。パーフォリンは筒状の重合体を作り、細胞膜を貫通させる。この孔を通ってグランザイムが細胞内に入るのである。

 

グランザイムが細胞内に入ると、最終的にはDNAが切断されてアポトーシス(細胞死)が起こる。これは、DNAを切断する酵素が活性化するためである。グランザイムには、「DNA切断酵素の阻害酵素」を破壊する酵素を活性化する働きがある。

 

 パーフォリン・グランザイム

 

・Fas・Fasリガンド
また、キラーT細胞が抗原と結合したMHCクラスⅠをT細胞レセプターで認識した後、感染細胞表面のFas分子とキラーT細胞にあるFasリガンドが結合するとアポトースシが起こる。これはFasとFasリガンドが結合すると、細胞死を起こさせるシグナルを出すからである。

 

 Fas・Fasリガンド

 

細胞死はパーフォリン・グランザイム経路と同じような機構で起こる。

 

 K細胞(キラー細胞)
K細胞とはKiller細胞のことである。K細胞はマクロファージ・好中球の一部と考えられており、Fcレセプターを介してADCCを行う。

 

ADCCとは抗体依存性細胞障害作用のことである。つまり、抗原と結合した特定の抗体のFc部とK細胞のFcレセプターが結合すると、その細胞を破壊する。

 

 K細胞(キラー細胞)

 

 NK細胞(ナチュラルキラー細胞)
NK細胞は腫瘍細胞などを傷害する作用がある。NK細胞にはNK活性化レセプターがあり、標的細胞の糖タンパクや糖鎖などを認識して細胞を破壊する。このときは、抗体依存性細胞傷害(ADCC)によって細胞を傷害する。

 

ただし、正常細胞にも糖タンパクや糖鎖は存在する。そのため、正常細胞と異常細胞を正確に見極めないといけない。この見極めに用いられるのがMHCクラスⅠ分子である。

 

NK活性化レセプターと糖タンパクなどが結合しても、細胞表面にMHCクラスⅠ分子が存在するとNK細胞のキラー阻止レセプターに作用してアポトーシスを抑制する。

 

ほとんどの正常細胞ではMHCクラスⅠ分子が発現しているため、NK細胞の標的とはならない。しかし、がん細胞などの異常細胞ではMHCクラスⅠ分子が減少または消失している。MHCクラスⅠ/キラー阻止レセプターによる作用がないため、NK細胞がその細胞に対して傷害を行う。

 

 NK細胞

 

 NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)
TCR(T細胞受容体)をもつNK細胞のことである。(TCRはMHC分子と結合する受容体)

 

 LAK細胞(リンホカイン活性化キラー細胞)
リンパ球が産生するタンパク質の一つにサイトカインがある。このサイトカインの一種であるIL-2(インターロイキン2)によって活性化されることで傷害作用を示すようになる細胞のことである。

 

 自然免疫の特徴・機構
免疫系には自然免疫と獲得免疫があり、外から侵入してきた病原菌に対してあらかじめ備わっていた免疫機構によって、病原菌を排除しようとするのが自然免疫である。自然免疫には上皮細胞による病原菌の侵入防止、食細胞による病原菌の排除などがある。

 

上皮細胞はただ単に、外からの病原菌の侵入を防いでいるだけではない。汗の中に含まれている乳酸など、上皮細胞から産生される物質の中には病原菌の侵入・増殖を防ぐ働きをするものがある。

 

食細胞にはマクロファージ、好中球、樹状細胞などがある。これら食細胞は補体レクチンなどの物質の作用をかりて病原菌を排除する。

 

食細胞にはさまざまな受容体があり、この受容体によって貪食能が高まる。例えば、マクロファージには補体レセプター、マンノースレセプター、β-グルカンレセプター、Fcレセプター、TLR、スカベンジャーレセプターがある。

 

病原菌の表面にはマンノースやβ-グルカンがあり、マクロファージに存在する受容体と結合することができる。また、Fcレセプターは抗体のFc部と親和性があり、補体レセプターは活性化した補体と親和性がある。

 

これらの物質が対応する受容体に結合すると、マクロファージはサイトカインを分泌し、その結果さまざまな効果が表れる。

 

また、Toll様受容体(Toll-like receptor:TLR)は直接病原微生物の成分を認識して、食細胞を活性化すると言われている。

 

ショウジョウバエにとってTollは真菌(カビ)に対する感染防御に必須であり、Tollが失活していると真菌への感染が増大する。哺乳類ではTollと似た物質が発見された。これがTLRであり、TLRには多くの種類が存在する。

 

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