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役に立つ薬の情報~専門薬学

排尿障害とは:蓄尿と排尿の仕組み

 

排尿障害とは、その名の通り「尿が出にくくなっている状態」を指します。ただ尿が出にくいだけなら良いですが、この症状が普段の生活に支障が出てくるまでになってしまいます。

 

年をとるとどうしても体の機能が落ちてしまいます。しかし、「夜中に何回もトイレに起きて熟睡できない」、「トイレが近くて旅行が不安」などの状態であると、単なる老化現象とは言えなくなります。

 

これら尿のトラブルによって日々の生活が制限されてしまっている場合、適切な治療が必要となります。

 

 ・蓄尿と排尿
排尿障害の仕組みと治療薬を理解するためには、どのようにして尿が溜まっていき(蓄尿)、そして外に排泄されていくか(排尿)を学ぶ必要があります。

 

尿はいったん膀胱に蓄えられますが、膀胱は200~500mL程度の尿を蓄えておくことができます。膀胱で蓄えられる尿量はペットボトル約一本分であると認識できれば問題ありません。

 

これら尿が溜まっていくと、外に排泄するために「トイレに行きたい!」という信号が脳に送られます。これによって尿意が引き起こされるのです。これを理解するためには、交感神経と副交感神経の働きを学ぶ必要があります。

 

 交感神経興奮時の働き:蓄尿
私たちの体は「運動時」と「休憩時」では逆の働きをします。この運動時に働く神経が交感神経であり、休憩時に関わる神経が副交感神経です。それに対して、蓄尿時には交感神経が大きく関わっています。

 

ただし、別に特別難しい事を覚える必要はありません。頭の中で考えれば当然の事であることを理解できます。

 

運動をしている時、私たちの体は熱を帯びてきます。心臓の鼓動は激しくなり、血圧は上昇します。相手をよく見るために瞳孔は散大し、唾液は粘っこくなります。

 

そして、泌尿器ではどうなるかと言うと、運動時ではトイレに行っているどころではなく目の前に起こっている出来事に素早く対応することが先決となります。つまり、交感神経が興奮している運動時では尿が溜まるように働くことが分かります。

 

このときの様子としては、以下のようになります。

 

 交感神経と膀胱の関係(蓄尿)

 

交感神経が興奮することによって尿を蓄えようとするとき、尿を溜め込むための膀胱はゆるむ(拡がる)ように働きます。また、尿を蓄えることで外への排泄を抑制するので尿道は縮むように働きます。

 

このように、運動時に起こる作用を考えれば交感神経興奮時に膀胱や尿道でどのような変化が起こるか容易に想像することができます。

 

 交感神経と膀胱

 

 副交感神経興奮時の働き:排尿
休憩をしている時、私たちの体は運動時とは反対の作用を行うようになります。運動時に興奮する神経が交感神経となりますが、食事をしている時や睡眠時など休憩している時に働く神経を副交感神経と呼びます。

 

食事を取っているとき、私たちの体は消化をよくするために胃酸分泌が多くなり、腸運動は活発になります。しかし、体を休めるために心拍数を低くするなど、心機能を低下させるようにします。

 

同じように考えると、運動時のような緊張状態とは逆にリラックス状態ではトイレに行く余裕が生まれてきます。そのため、休憩時など副交感神経が興奮すると排尿が促進されるようになります。このような副交感神経興奮時の膀胱の様子としては以下のようになります。

 

 副交感神経と膀胱の様子(排尿)

 

副交感神経が興奮すると、前述の通り排尿を促進させるように働きます。この時、膀胱が縮むことによって尿を出させようとします。

 

また、尿道を広げることによって尿の通りを良くしようとします。

 

このように、体がリラックスしている休憩時(食事中など)の場面を想像すれば、なぜ排尿が促進されるのかを容易に理解することができます。

 

 副交感神経と膀胱

 

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