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役に立つ薬の情報~専門薬学

関節リウマチによる関節破壊と滑膜炎

 

風邪は放っておいても勝手に治りますが、関節リウマチでは治ることがありません。関節リウマチは進行性の疾患であり、病気は常に徐々に進行していきます。関節リウマチでは、治るというよりも「症状がおさまる」と表現されます。病気を発症しているものの、その症状が表れないようにコントロールするのです。

 

このように病気を良好にコントロールできている状態を寛解(かんかい)といいます。関節リウマチを治療するとき、寛解への導入を目指します。ただ、何も対策を行っていなければ症状が進行していきます。そのため、適切な対処が必要になります。

 

 関節リウマチによる関節破壊
関節リウマチでは、激しい炎症が起こることで関節が破壊されていきます。このとき、炎症は関節だけでなく全身に及びます。そのため、病気を発症すると体重が減っていきます。放っておくと半数は10年後に寝たきりとなるまで症状が進行します。

 

また、関節リウマチは痛みを伴います。そのために痛み止めの薬を使用することがあります。ただ、鎮痛剤では関節の破壊を止められません。痛み止めによって痛みがおさまり、日常の動作が可能になったとしても、関節は破壊され続けていきます。

 

激しい痛みが起こり、最終的に寝たきりになる原因は「関節破壊」にあります。そこで、この関節破壊を止めるための治療が必要です。

 

関節リウマチでは、関節が破壊されることは既に述べました。より詳しくいうと、関節リウマチでは、関節に存在する「滑膜(かつまく)」に炎症が起こっています。

 

 

 

関節の滑膜で免疫反応に関わる物質が生成されると、その場所で炎症を生じます。これによって滑膜が腫れ、結果として関節破壊に繋がります。

 

このような関節破壊は、関節リウマチを発症した1~2年後で急激に起こります。かなり早い段階から骨に傷が付き始めるため、病気の発症後は素早い治療が必要です。

 

 滑膜炎と滑膜増殖
関節リウマチ患者の滑膜では、原因不明の炎症によって血管が新しく作られるようになります。新たな血管が生成されることを専門用語で血管新生(けっかんしんせい)といいます。

 

このときの新たな血管から、免疫細胞の一種であるリンパ球が浸潤して関節に集まります。こうして、滑膜にさらなる炎症が起こります。滑膜炎を生じると、滑膜が増殖するようになります。つまり、滑膜細胞の数が増えるのです。

 

関節リウマチによって新たな血管が生成され、免疫細胞が集まるようになると、自分自身の関節へ「炎症を引き起こす物質」を多量に放出するようになります。このとき放出される物質を炎症性サイトカインといいます。炎症性サイトカインとは、炎症を引き起こす物質であると考えてください。

 

炎症性サイトカインによって骨が壊されていきます。痛み止めの薬を使用しても関節リウマチの進行を抑えられないのは、ここに理由があります。

 

鎮痛剤というのは、あくまでも「痛みを感じにくくする」という作用しかありません。鎮痛剤を使用すると痛みは止まるものの、血管の増殖や炎症性サイトカインの作用まで抑制することはできないのです。リンパ球の働きによる関節破壊を止められないため、単に痛みを止めるだけでは病気の治療は不十分なのです。

 

 

 

そこで、これら血管増殖やリンパ球、関節の破壊を止めるため、炎症性サイトカインの働きを抑える必要があります。

 

場合によっては、免疫細胞の一つであるリンパ球の働きを直接止めることで、関節リウマチを寛解へともっていくように仕向けます。これが、関節リウマチの治療を行うときの基本的な考え方です。

 

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