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痛風発作が起こるメカニズム

 

高尿酸血症によって起こる主な合併症としては、痛風や腎障害などが知られています。高尿酸血症であっても、すぐに痛風などの合併症を引き起こすわけではありません。しかし、尿酸値が高い状態であると少しずつ関節に尿酸の結晶が溜まっていきます。

 

それでは、なぜ痛風発作が起こるのかについて解説していきます。

 

 痛風発作が起こるメカニズム
尿酸値が7.0mg/dLを超えると、徐々に尿酸の結晶が関節に沈着するようになります。ただし、結晶が関節に溜まっているだけでは痛風発作を起こしません。ここで、関節に溜まった尿酸結晶が何らかの原因によって剥がれ落ちることにより、痛風発作を引き起こすようになります。

 

この時、関節から剥がれた尿酸結晶を免疫細胞の1つである白血球が異物として認識します。白血球は異物である尿酸結晶を排除しようとするため、激しい炎症を引き起こします。これによって、激痛を伴うようになります。

 

このように、痛風発作が起こるためには、

 

 1. 尿酸値が高くなることによって、関節に尿酸の結晶が溜まる
 2. 何らかの刺激によって尿酸の結晶が剥がれ落ちる
 3. 尿酸結晶を白血球が異物として認識し、激しい炎症を起こす

 

という順番を辿ります。

 

痛風発作自体は7~10日程度で治まります。しかし、関節に蓄積された尿酸結晶がなくなった訳ではありません。そのため、痛風発作が治まった後も尿酸値を下げることで治療を続けていく必要があります。

 

これは、痛風発作が繰り返し引き起こされる事を防ぐために行います。また、高尿酸血症による腎障害などの合併症を防ぐ意味もあります。

 

尿酸結晶が剥がれ落ちる原因としては、運動やストレスなどがあります。そして重要なのは、「尿酸値が急激に下がってしまう事」もあります。つまり、薬によって急激に尿酸値を下げてしまうと、これがきっかけとなって尿酸の結晶が関節から剥がれ落ちてしまうのです。

 

これによって、痛風発作が起こってしまいます。

 

このような現象があるため、高尿酸血症の治療では3~6ヶ月の時間をかけて、少しずつ尿酸値を下げていく必要があります。そうしなければ、尿酸値の下げすぎが原因で痛風発作を引き起こしてしまうからです。

 

少しずつ尿酸値を下げていき、それに伴って徐々に関節に溜まった尿酸結晶が溶け出していくようにしなければいけません。

 

高尿酸血症の治療目標としては、血液中の尿酸値を6.0mg/dL以下にすることが目標となります。この数値を目指し、少しずつ尿酸値を落としていきます。

 

 痛風発作と雪の関係
痛風発作が起こるメカニズムに関して、家に降り積もる雪が例えとして頻繁に用いられます。このイメージを掴むことが出来れば、比較的簡単に痛風発作が起こる理由を認識することが出来るようになります。

 

高尿酸血症では、関節に少しずつ尿酸の結晶が溜まっていきます。これが、家の屋根に少しずつ雪が降り積もっている状態になります。少しだけなら問題ないですが、これが尿酸結晶としてある一定以上降り積もると、ある時点で雪がドサッと落ちてしまいます。

 

これが、関節に蓄積した尿酸結晶の一部が剥がれ落ちてしまった状態となります。いわゆる、痛風発作が起きてしまった状態です。

 

 痛風発作と雪の関係

 

そして、これと同じことが急激に雪を溶かした時にも起こります。屋根の上にたくさん雪が積もっている状態で急激に温度が上昇すれば、この時も同じように屋根から雪がドサッと落ちてしまいます。雪を急速に溶かすと、屋根から雪が一気に崩れ落ちるのです。

 

 急に尿酸値を下げると痛風発作を引き起こす理由

 

高尿酸血症の患者さんで急激に尿酸値を下げてしまうと、痛風発作を誘発してしまいます。この時、屋根に積もった雪が落ちてしまうのと同じように、関節に溜まった尿酸結晶が剥がれ落ちて痛風発作を引き起こしてしまうのです。

 

そこで、これを回避するために屋根に積もった雪を少しずつ溶かしていきます。ゆっくりと時間をかけて溶かしていく事で、大量の雪を地面に落とすことなく元の状態に戻すことができます。

 

 少しずつ尿酸値を下げていくことで痛風発作を防ぐ

 

これと同じように、高尿酸血症を治療する時も少しずつ尿酸値を下げていきます。そうすることで、関節に溜まった尿酸結晶を徐々に溶かしていくことが出来ます。

 

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