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役に立つ薬の情報~専門薬学

痛風・高尿酸血症とは

 

痛風を考える上で尿酸の存在はとても重要になります。私たちの血液中には通常の状態でも尿酸が含まれています。この尿酸の値が高くなってしまった場合、高尿酸血症と診断されます。

 

この時の尿酸は血液中に溶けているため、正常な人であると何も問題ありません。しかし、高尿酸血症などによって血液中の尿酸値が高くなってしまうと、血液中だけでは尿酸が溶けきれなくなってしまいます。

 

その結果、血液中に溶けきれない尿酸は関節の中や腎臓などに結晶化して溜まっていきます。この時に溜まる結晶が尿酸結晶です。これら関節に溜まった尿酸結晶によって痛風発作が誘発されます。

 

 尿酸と痛風の関係

 

 痛風とは
血液中の尿酸値が高いと、ある時に足などの関節に突然激痛が走るようになります。これが痛風による発作です。この時の痛風発作としては、約70%の人で「足の親指の付け根」に赤い腫れが起こります。

 

「吹いた風が当たるだけで痛い」として痛風と言う名前が付けられていますが、痛風発作として関節に炎症が起こるのです。

 

痛風発作を起こすと関節に激痛を伴うようになり、2~3日は痛みのために歩けなくなります。普段の生活にまで影響してしまうため、尿酸値をコントロールすることによって痛風発作を抑えなければいけません。

 

なお、痛風は男性に多い病気です。痛風患者の90%以上が男性とされ、この理由としては男性の方が女性よりも血液中の尿酸値が高いことにあります。

 

女性では女性ホルモンが分泌されます。この女性ホルモンは尿酸を外に排泄させる働きがあります。そのため、女性では男性に比べて血液中の尿酸値が低く、結果として痛風が起こりにくいとされています。

 

そのため、閉経後など女性ホルモンの分泌が少なくなってしまうと、血液中の尿酸値が少し上昇してしまいます。

 

 プリン体・尿酸について
そもそも尿酸とは一体何者かと言うと、私たちの体が代謝を行うことによって生まれる老廃物となります。この尿酸としての老廃物が蓄積することによって高尿酸血症となり、痛風を引き起こします。

 

それでは、この時の尿酸がどのようにして作られるかと言うと「プリン体」が大きく関わっています。

 

 プリン体→尿酸→高尿酸血症→痛風

 

プリン体とは、生命に関する全ての情報が書き込まれているDNAの成分の1つです。DNAの構成成分として、アデニンやグアニンと呼ばれる物質が存在しますが、これらの物質がプリン体の原材料となります。

 

私たちが生命活動をしてエネルギーを生み出す時にプリン体が生成され、これらプリン体は細胞や食品中などにも含まれています。プリン体は私たちの体内でも作られますが、食物として摂取する中にもプリン体が多く含まれているのです。

 

肉や魚、動物の内臓、干物などプリン体を多く含む商品を取ると、その分だけプリン体として「尿酸の原料」が体内に入ってくるようになります。その結果、プリン体から尿酸がたくさん作られて高尿酸血症に陥ってしまいます。

 

そのため、高尿酸血症の治療では、これらプリン体を多く含む食品の摂取を控えるようにしなければいけません。

 

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