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役に立つ薬の情報~専門薬学

ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の除菌

 

消化性潰瘍が起こる原因の一つとしてピロリ菌の存在があり、ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍を再発させます。潰瘍を治療してもピロリ菌が存在する限りは炎症が続き、潰瘍が再燃しやすい環境が持続します。

 

ピロリ菌は除菌することが可能であり、ピロリ菌の除菌によって潰瘍の再発を大幅に抑えられることが分かっています。

 

ピロリ菌が除菌できていない状態であると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発率は約50~60%になります。除菌が完了した場合であると、再発率を2~3%程度にまで減らすことができます。

 

ピロリ菌の除菌は以下のようなステップをたどります。

 

 ピロリ菌除菌のステップ

 

ピロリ菌の除菌は三剤併用療法で行います。このとき併用する薬剤として「プロトンポンプ阻害薬 + 二種類の抗生物質」を使用します。

 

具体的には、「プロトンポンプ阻害薬+ アモキシシリン(ペニシリン系抗生物質) + クラリスロマイシン(マクロライド系抗生物質)」によるピロリ菌除菌の一次療法として、三剤を七日間服用します。

 

これによって、約80%の患者さんはピロリ菌を除菌することができます。

 

 ピロリ菌の一次除菌と二次除菌

 

これら一次除菌に必要な医薬品をセットにした商品としてランサップがあります。  一次除菌に失敗すると、二次除菌を行います。

 

二次除菌としてはクラリスロマイシンをメトロニダゾールに変えて「プロトンポンプ阻害薬+ アモキシシリン(ペニシリン系抗生物質) + メトロニダゾール(抗原虫薬)」の併用療法を行います。

 

二次除菌に必要な医薬品をセットにした商品としてはランピオンがあります。二次除菌にも失敗した場合は保険適応外として、自費によるさらなる治療を行います。

 

ピロリ菌の除菌にプロトンポンプ阻害薬を使用する理由としては、抗生物質の殺菌力を増大させることがあります。胃酸はその強い酸によって抗生物質の殺菌力を抑えてしまいます。プロトンポンプ阻害薬によって胃の中のpHを上げれば、抗生物質の殺菌力が上昇します。

 

実際、クラリスロマイシンはプロトンポンプ阻害薬によってpHを中性付近にまでにすると、その殺菌力は百倍以上にも上昇します。H2ブロッカーでは、「胃酸分泌抑制作用による抗生物質の抗菌力増大作用」が不十分であるため、プロトンポンプ阻害薬が使用されます。

 

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