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消化性潰瘍の病態と発症メカニズム

 

潰瘍には主に「胃潰瘍」と「十二指腸潰瘍」の二種類があります。まだ消化性潰瘍の研究が進んでいないころ、胃・十二指腸潰瘍は治療しても再発を繰り返す慢性的な疾患であると考えられていました。

 

しかし、現在では潰瘍発生の原因が明らかとなって、潰瘍の再発を防ぐことができるようになっています。

 

これら胃潰瘍と十二指腸潰瘍を合わせて消化性潰瘍ともいわれます。

 

消化性潰瘍は胃酸による強い酸によって起こります。胃酸は胃粘膜を傷つけ、組織を剥がします。これが進行すると粘膜だけでなく筋肉までえぐられてしまい、胃に穴が開いてしまうこともあります。

 

 消化性潰瘍

 

潰瘍の症状が進行してしょう膜まで障害されると、胃に穴が開く前単階となります。この状態を放っておくと胃に穴が開いてしまう、穿孔(せんこう)と呼ばれる状況に陥ってしまいます。

 

胃や十二指腸に穴が開くと手術が必要になります。手術を行わないと食物や胃液が漏れ出して腹膜炎などを起こし、生命にも関わります。そのため、早めの治療が必要となります。

 

 ・消化性潰瘍の症状
消化性潰瘍の症状としては、次のようなものがあります。

 

 消化性潰瘍の症状

 

 ○ みぞおちの痛み
消化性潰瘍による自覚症状で最も多いのがみぞおちの痛みです。これらの痛みは胃潰瘍と十二指腸潰瘍では痛みの発生する時期が異なります。

 

 ○ 胸焼け、胃もたれ、すっぱいゲップ
消化性潰瘍によって胸焼けや胃もたれ、すっぱいゲップなどの症状が起こることがあります。

 

 ○ 出血
潰瘍が進行すると出血を伴うことがあります。胃・十二指腸から出血することによって、コールタールのようなどす黒い便(下血)がでてしまいます。血を吐く(吐血)こともあります。

 

以下に、胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違いについて示します。

 

症状

胃潰瘍

十二指腸潰瘍

症状の発生するタイミング

食事中・食後

空腹時(特に早朝)

発症要因

防御因子の低下

攻撃因子の増加

食生活

和食中心

欧米食中心

ピロリ菌の胃内分布

広い

狭い

潰瘍のできやすい場所

胃の下部1/3(胃角部)

幽門近く

潰瘍のできやすい年齢

40~50歳代

20~30歳代

 

 ・消化性潰瘍・逆流性食道炎の発症メカニズム
消化性潰瘍を考える上で「攻撃因子」と「防御因子」の二つが重要になります。下にそれぞれの分類を示しています。

 

攻撃因子

防御因子

その他の因子

胃酸
ペプシン

粘液 粘膜の血流

ヘリコバクター・ピロリ
鎮痛剤(NSAIDs)
ストレス
アルコール

 

攻撃因子とは、その名前の通り「相手を攻撃する因子」というイメージを持てばいいです。攻撃する対象はタンパク質(食物、胃粘膜など)や病原菌です。それに対し、防御因子とは「胃酸などの攻撃から胃を守る因子」と考えればいいです。

 

攻撃因子と防御因子のバランス

健康な胃や十二指腸であると、これら攻撃因子と防御因子のバランスが保たれている右図のような状態となります。

 

しかし、このバランスが崩れてしまうと潰瘍が引き起こされてしまいます。

 

この原因には胃酸分泌が増加するなどの「攻撃因子の増強」や粘液の減少による「防御因子の低下」などがありあす。

 

 攻撃因子と防御因子

 

また、これら消化性潰瘍には攻撃因子や防御因子以外にもヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)や鎮痛剤(NSAIDs)、ストレス、アルコールなども深く関与しています。

 

これらの因子を排除することも消化性潰瘍の予防に繋がります。

 

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