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糖尿病の診断(HbA1Cなど)

 

糖尿病の診断では、糖に関する試験を行うことで糖尿病かどうかを診断します。この診断基準としては以下のようなものがあります。

 

① 早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上
② 75gブドウ糖負荷試験で2時間後の血糖値が200mg/dl以上
③ 随時血糖値が200mg/dl以上

 

食事をした後は血糖値が上昇しており、食事前などの空腹時では血糖値が下がっていることを予想できます。

 

眠っている間はお菓子等の食べ物を口に含むことはないため、朝起きてご飯を食べる前の血糖値は低くなっています。この時の血糖値が早朝空腹時血糖値です。

 

そして、ブドウ糖(グルコース)を投与すると血糖値が上昇してしまいます。このとき、糖尿病患者は正常な人に比べて血糖値の上昇度合いが大きいです。

 

糖尿病試験では75gのブドウ糖(グルコース)を投与した後、2時間後に測定した血糖値が200mg/dl以上になると糖尿病が疑われます。

 

また、随時血糖値とは「食事をした時間を考慮せずに測定した血糖値」を指します。この値が200mg/dl以上であると糖尿病が疑われます。

 

 糖尿病の診断基準

 

 HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)
前述の通り、糖尿病の診断にはその時に測定した血糖値が使用されます。ただし、直前に大量に飴やチョコレートなど口に含めば血糖値は高くなってしまいます。その逆に、何回分か食事を抜けば血糖値は下がります。

 

そのため、例えば医療機関に出向く前に自ら食事内容等をコントロールすれば、糖尿病でないように見せかけることも可能です。

 

これを避けるために、正確に糖尿病の診断をしたいときはHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)という検査が行われます。

 

ヘモグロビン(Hb)は同じ血液中に存在する糖(ブドウ糖)と結合します。このヘモグロビンと糖が結合することで生成した物質の一部にHbA1cがあります。

 

HbA1cは糖が存在すると生成することから、血糖値が高ければ高いほどHbA1cの値も大きくなります。つまり、「HbA1c値が高いほど糖尿病の症状が重い」という事が分かります。

 

また、赤血球の寿命は約120日です。そのため、HbA1cは1~2ヶ月の血糖値の変動を調べることができます。HbA1cの測定では、前日にいくら努力して血糖値を減らそうとしても無駄となります。

 

 HbA1cの特徴

 

なお、HbA1cの値が6.5%以上で糖尿病と判断されます。

 

指標

優(正常型)

良(境界型)

不可

不十分

不良

HbA1c値

(%)

6.2未満

6.2~6.9

未満

6.9~7.4

未満

7.4~8.4

未満

8.4以上

空腹時

血糖値

(mg/dl)

80~110

未満

110~130

未満

130~160未満

160以上

食後2時間

血糖値

(mg/dl)

80~140

未満

140~180

未満

180~220未満

220以上

 

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