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役に立つ薬の情報~専門薬学

血液が固まる仕組みと溶けていく仕組み:凝固系と線溶系

 

怪我の時などでは血を止めるために血液を固めなければいけません。内出血も同様であり、血管に傷が付いた時には血栓を作ることで出血を抑えるように働きます。

 

この時、以下のような流れで血液が固まっていきます。

 

 血液が固まる仕組み

 

このように、血液凝固までの流れとして2段階の凝固系が存在します。

 

1段階目として、血管に傷が付くことを合図として血小板が集まってくる過程があります。血管壁に傷を負ってしまうと、それを修復する作用が働きます。そのために血を固めることで応急処置をする物質が血小板です。

 

傷口に血小板が集まってくることによって血小板が活性化され、固まっていきます。この過程を血小板凝集と呼びます。

 

その後、2段階目としてより強固な血栓を作るためにフィブリノーゲンという物質が関与するようになります。

 

このフィブリノーゲンがフィブリンという物質に変換され、この時のフィブリンが先ほど形成された血小板と絡み合うことによってさらに強固な血栓となります。このような流れによって、止血が行われます。

 

また、血液が固まったままではいけません。血管の傷が修復された後はフィブリンによって作られた血栓が邪魔になります。そこで、これら血栓が不要になった後は溶かすように働きかけます。この時の仕組みを線溶系と呼び、プラスミンと言う物質によって行われます。

 

 プラスミンによる血栓の溶解

 

このように、血管が傷つくことによって「血栓の生成」が起こり、その後に傷が修復されると「血栓を溶かす」という過程が繰り返されるのです。

 

これら血栓の生成と血栓が溶けていく過程を理解すると、傷の修復のために血栓は必要不可欠であることが分かります。しかし、この時の血栓が傷とは関係無しに血管内で生成されると大問題になるのです。

 

 血栓が出来やすい仕組み
体の中では血栓が作られたり溶けたりしています。そのため、体の状況によっては血栓が出来やすい環境に陥っていることがあります。当然ながら、その逆に血液が固まりにくくなっていることもあります。

 

それでは、血液凝固がどのような状況で起こりやすくなっているかを確認していきます。血液が固まることによって出来る血栓としては、次の3つが主に関わっているとされています。

 

 ・うっ滞(血液の流れが悪い)

 

 ・血液成分の変化

 

 ・血管壁の状態

 

それでは、以下にそれぞれの要素に分けて考えていきます。

 

 ・うっ滞(血液の流れが悪い)
血液がスムーズに流れている状態であると、血は固まりにくいです。しかし、血流が悪く血が滞っている状況であると血液凝固が進んでしまいます。これによって、血栓が作られます。

心房細動

 

このように、血流によどみが生じている病気の代表例として心房細動があります。

 

心房細動は不整脈の一種であり、心臓が細かく震えているだけの状態のために血液を外に送り出す働きが十分に出来ていません。その結果として、心臓の血流が悪くなってしまいます。

 

また、手術後や飛行機での移動などの長時間の安静も血流が淀んでしまう要因となります。

 

 ・血液成分の変化
血液成分のほとんどは水分です。そのため、運動などによって水分が抜けていくと、その分だけ血液が濃くなっていきます。その結果、血小板をはじめとする血液凝固に関わる物質の濃度も濃くなってしまいます。

 

このような理由によって、脱水状態では血液が固まりやすくなっています。

 

なお、動脈硬化によって血栓が生成しやすくなってしまいますが、脂質異常症の患者さんが動脈硬化を発症しやすいことから、これら動脈硬化は血液中に含まれる脂質の割合が変化することも大きな要因であると理解できます。

 

このように、水分以外の血液成分も血栓の生成に関わっています。

 

 ・血管壁の状態
弾力があってしなやかな血管壁であると、なかなか傷が付きにくいです。しかし、動脈硬化によって血管が硬くなると傷が付きやすくなります。

プラーク形成

 

特に、血管壁の内側に作られたプラークが傷を負って破れてしまうと、血小板などが活性化されて血液凝固が急速に進んでいきます。

 

その結果として血栓が作られ、場合によってはこの時の血栓が脳や心臓などの血管に飛んで詰まらせてしまうこともあります。

 

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