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酸棗仁湯の効能:不眠症、うつ病、神経症、自律神経失調症

 

ストレスや過酷な労働などによって心身が疲れると、なかなか眠れない不眠状態に陥ります。また、うつ病や神経症、自律神経失調症なども心身の疲れによって生じる疾患です。そこで、このような病気に対して使用される漢方薬として酸棗仁湯(さんそうにんとう)があります。

 

酸棗仁湯には、神経の働きを鎮める作用があります。これにより、精神疾患を改善させます。特に、酸棗仁湯は不眠症に用いられる代表的な漢方薬として知られています。

 

 酸棗仁湯(さんそうにんとう)と体質
漢方薬では、その人の見た目や症状を重要視します。検査値だけではなく、患者さんの様子から「どの薬を使用するのか」を決定するのが漢方薬です。酸棗仁湯であれば、次のような人が有効です。

 

 ・体力は虚弱(虚証)
 ・心身が疲れている(気虚)
 ・不安感やイライラがある

 

漢方では、体に流れている「気」、体内を流れている「血液」、体を循環している「水」の流れを重要視します。その中でも、心身が疲れていて「気」がなくなっている状態を気虚(ききょ)といいます。エネルギーである「気」が薄くなることで、不眠症やうつ病に陥るのです。

 

「気」が弱くなっていて、さらに体力が虚弱な人に酸棗仁湯が用いられます。そのため、いくら不眠症であるからといっても、体力旺盛(実証)な人に、酸棗仁湯は向きません。

 

なお、漢方の古典である「金匱要略(きんきようりゃく)」に酸棗仁湯が記されています。金匱要略は漢方の原点ともいえる古典です。

 

 酸棗仁湯の作用
不眠症を改善させる酸棗仁湯には、生薬(しょうやく)と呼ばれる天然由来の成分が含まれています。これら生薬としては、以下の5種類が配合されています。

 

 ・酸棗仁(さんそうにん)
 ・知母(ちも)
 ・茯苓(ぶくりょう)
 ・川芎(せんきゅう)
 ・甘草(かんぞう)

 

酸棗仁(さんそうにん)には、催眠・鎮静作用があります。酸棗仁湯という名前から分かる通り、酸棗仁湯の主薬となる重要な生薬が酸棗仁です。

 

また、知母(ちも)には熱を抑えて炎症を鎮める作用があります。さらに、茯苓(ぶくりょう)は精神を安定させる働きが知られています。このようにさまざまな作用を有する生薬を組み合わせることで、神経の働きを穏やかにさせるのです。

 

 酸棗仁湯の使用方法
酸棗仁湯を投与するとき、成人では「1日7.5gを2~3回に分けて、食前または食間に経口投与する」とされています。食間とは、食事中という意味ではなく、食事と食事の間を意味します。つまり、食後から2時間経過した、胃の中が空の状態を指します。

 

慎重に使用すべき対象としては、「胃腸の虚弱な人」「食欲不振、悪心、嘔吐のある人」などがあります。酸棗仁湯の投与により、症状を悪化させる恐れがあるからです。

 

これら酸棗仁湯としては、

 

 ・不眠症
 ・うつ病
 ・神経症
 ・自律神経失調症

 

などの症状に有効です。基本は不眠症に対する漢方薬ですが、不眠が原因となるうつ病や神経症、自律神経失調症などにも酸棗仁湯が適応されます。眠りが浅く、疲れが取れない精神症状を緩和するのです。

 

このような特徴により、心身が疲れて体力のない人へ用いられ、主に不眠症の改善を目的に投与される漢方薬が酸棗仁湯です。

 

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