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柴胡桂枝湯の効能:風邪、胃炎、胆のう炎、胆石症、肝機能障害、膵臓炎

 

風邪をひいたときに数日で治ればいいですが、中には風邪をこじらせて症状がなかなか治まらないことがあります。風邪が長引くと、汗が出たり悪寒があったりする状態が続いてしまいます。そこで、このような風邪をこじらせたときに使用される漢方薬として柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)があります。

 

柴胡桂枝湯は風邪の中期~後期だけでなく、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胆のう炎、胆石症などの炎症疾患に対しても利用されます。

 

 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)と体質
漢方薬では、その人の見た目や症状を重要視します。検査値だけではなく、患者さんの様子から「どの薬を使用するのか」を決定するのが漢方薬です。柴胡桂枝湯であれば、次のような人が有効です。

 

 ・体力がやや虚弱または中等度
 ・発熱や汗がある
 ・腹痛を伴う
 ・寒気、頭痛、吐き気などがある

 

柴胡桂枝湯には、炎症や痛みを鎮める作用が知られています。そのため、風邪や肺炎などの熱性疾患だけでなく、柴胡桂枝湯は胃潰瘍や膵臓炎など「臓器に生じている炎症」にまで活用されます。

 

なお、漢方の古典である「傷寒論(しょうかんろん)」や「金匱要略(きんきようりゃく)」に柴胡桂枝湯が記載されています。2つはどちらも漢方の原点ともいえる古典です。

 

 柴胡桂枝湯の作用
こじれた風邪や臓器の炎症に有効な柴胡桂枝湯には、生薬(しょうやく)と呼ばれる天然由来の成分が含まれています。これら生薬としては、以下の9種類が配合されています。

 

 ・柴胡(さいこ)
 ・桂皮(けいひ)
 ・黄芩(おうごん)
 ・半夏(はんげ)
 ・芍薬(しゃくやく)
 ・人参(にんじん)
 ・甘草(かんぞう)
 ・生姜(しょうきょう)
 ・大棗(たいそう)

 

柴胡(さいこ)と黄芩(おうごん)には、炎症を鎮める作用が知られています。また、桂皮(けいひ)には熱や痛みを抑える働きがあります。これら、さまざまな作用を有する生薬を組み合わせることにより、柴胡桂枝湯の作用が発揮されます。

 

薬の効果を調べる試験でも、潰瘍を抑える作用や肝機能障害の抑制作用、膵炎の抑制作用が動物実験などで確認されています。

 

なお、柴胡桂枝湯に含まれている生薬をみると、「小柴胡湯(しょうさいことう)と桂皮湯(けいしとう)に配合されている両者の生薬を合わせたもの」であることが分かります。そこで、この2つの漢方処方からそれぞれ名前を取って、柴胡桂枝湯と呼ばれるようになったと考えられています。

 

 柴胡桂枝湯の使用方法
柴胡桂枝湯を投与するとき、成人では「1日7.5gを2~3回に分けて、食前または食間に経口投与する」とされています。食間とは、食事中という意味ではなく、食事と食事の間を意味します。つまり、食後から2時間経過した、胃の中が空の状態を指します。

 

これら柴胡桂枝湯としては、

 

 ・かぜの中期から後期
 ・肺炎・肺結核などの熱性疾患
 ・胃潰瘍、十二指腸潰瘍
 ・胆のう炎、胆石症、肝機能障害
 ・膵臓炎

 

などの症状に有効です。「風邪を含む熱性疾患」や「胃炎、胆のう炎など上腹部に起こる炎症性疾患」に対して、柴胡桂枝湯が使用されます。

 

このような特徴により、発汗や悪寒、頭痛などの症状がある人で、これじた風邪や臓器に生じた炎症を軽減するために使用される漢方薬が柴胡桂枝湯です。

 

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