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加味帰脾湯の効能:貧血、不眠症、精神不安、神経症、うつ

 

貧血や不眠症、精神不安など、心身の疲れによってさまざまな症状が表れるようになります。これらの症状はストレスと大きく関係しているため、現代のような社会では悩まされる人が特に多いです。そこで、このような症状に対して使用される漢方薬に加味帰脾湯(かみきひとう)があります。

 

加味帰脾湯には、虚弱な体質を改善して貧血や心身疲労を改善させる作用が知られています。これにより、心身症に対して働きかけます。

 

 加味帰脾湯(かみきひとう)と体質
漢方薬では、その人の見た目や症状を重要視します。検査値だけではなく、患者さんの様子から「どの薬を使用するのか」を決定するのが漢方薬です。加味帰脾湯であれば、次のような人が有効です。

 

 ・虚弱な体質(虚証)
 ・血色が悪い
 ・心身が疲れている
 ・微熱や熱感を伴う

 

ガッチリした人ではなく、体が細くて血の巡りが悪い人に対して加味帰脾湯が適応されます。そのため、心身の疲れがあるからといって、体力旺盛な人に加味帰脾湯を使用しても効果を得られないことはよくあります。それどころか、体質に合わないので副作用を生じることがあります。

 

なお、漢方の古典である「済世全書(さいせいぜんしょ)」に加味帰脾湯が記載されています。済世全書は中国で南宋時代に書かれた古典です。

 

 加味帰脾湯の作用
貧血や精神不安などに使用される加味帰脾湯には、生薬(しょうやく)と呼ばれる天然由来の成分が含まれています。これら生薬としては、以下の14種類が配合されています。

 

 ・人参(にんじん)
 ・蒼朮(そうじゅつ)
 ・茯苓(ぶくりょう)
 ・甘草(かんぞう)
 ・生姜(しょうきょう)
 ・大棗(たいそう)
 ・酸棗仁(さんそうにん)
 ・竜眼(りゅうがん)
 ・遠志(おんじ)
 ・当帰(とうき)
 ・黄耆(おうぎ)
 ・木香(もっこう)
 ・柴胡(さいこ)
 ・山梔子(さんしし)

 

これらを組み合わせることで、ストレス症状に働きかけます。人参(にんじん)、蒼朮(そうじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、甘草(かんぞう)の4つは、「四君子湯(しくんしとう)という漢方薬」の基本となる生薬です。これらの生薬を配合させることにより、消化機能を高める働きが期待されます。

 

また、酸棗仁(さんそうにん)、竜眼(りゅうがん)、遠志(おんじ)は、気持ちを静める効果が知られている生薬です。このような働きを有する生薬を組み合わせることで、加味帰脾湯の効果が得られます。薬の効果を調べる試験でも、加味帰脾湯の使用による抗不安作用が動物実験などで確認されています。

 

 加味帰脾湯の使用方法
加味帰脾湯を投与するとき、成人では「1日7.5gを2~3回に分けて、食前または食間に経口投与する」とされています。食間とは、食事中という意味ではなく、食事と食事の間を意味します。つまり、食後から2時間経過した、胃の中が空の状態を指します。

 

慎重に投与すべき対象としては、「食欲不振、悪心、嘔吐のある人」「体力旺盛でガッチリしている人」などがあります。このような人に投与すると、症状の悪化を招く恐れがあります。

 

これら加味帰脾湯としては、

 

 ・貧血、出血
 ・精神不安、神経症、不眠症
 ・うつ症状
 ・めまい、耳鳴り

 

などの症状に有効です。似た漢方処方に帰脾湯(きひとう)が知られており、これに柴胡(さいこ)と山梔子(さんしし)を加えたものが加味帰脾湯です。帰脾湯に比べて、加味帰脾湯では「微熱・熱感」「胸苦しさ」「イライラ」などを感じる場合に使用されます。

 

このような特徴により、心身が疲れて血色の悪い人に使用し、貧血や不眠症、精神不安、神経症、うつ症状などを改善させる漢方薬が加味帰脾湯です。

 

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