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役に立つ薬の情報~専門薬学

エイムステスト:突然変異の検出方法

 

遺伝子の変異はがんの原因となる。しかし、「変異原性=発がん性」ではない。例えば、アスベストは発がん性があるが、変異原性はない。変異原性と発がん性は70~90%の関連があると言われている。

 

 変異原性と発がん性

 

 エイムステスト(エイムス試験)
特定の物質が遺伝子を変異させるかどうかを確かめる試験にエイムステストがある。

 

エイムステストではヒスチジン要求性(His-)のサルモネラ菌を使用する。この菌に遺伝子の変異を起こすテスト物質を試し、ヒスチジン非要求性(His )に変化するかどうかを調べるのである。これによって、テスト物質の変異原性を判断する。

 

約1億個のヒスチジン要求性サルモネラ菌を二日間なにもせずに放置すると、自然に数十個のサルモネラ菌がヒスチジン非要求性に変化する。

 

テスト物質を入れて試した結果、His-(要求性)の数がHis (非要求性)に変化する数が自然変異の倍以上の場合、テスト物質に変異原性があると判断することができる。

 

 サルモネラ菌

 

これらの結果には定量性があり、テスト物質の変異原性が強いほど生じるHis の数は多くなる。

 

 テスト物質の変異原性 ∝ 生じるHis の数 ← 生の相関

 

 変異タイプの区別
サルモネラ菌がヒスチジン要求性から非要求性に変化するとき、塩基が置換されて変化したか、それともフレームシフトによって変化したかを知ることができる。

 

・塩基対を変化させたサルモネラ菌
塩基対を変化させることで、ヒスチジン要求性に変化させたサルモネラ菌にはTA100株TA102株がある。つまりTA100株、TA102株を使用してHis へと変化した場合、「塩基の置換によって変異した」と判断することができる。

 

TA100株、TA102株のサルモネラ菌はそれぞれ次のように変異させられている。

 

 TA100株、TA102株

 

テスト物質がそれぞれTA100株のGをAに、TA102株のTをCに置換させるなら、His-がHis に変化する。

 

・フレームシフトによって変化させたサルモネラ菌
フレームシフトによって変化させてサルモネラ菌にはTA98株がある。ヒスチジン非要求性のサルモネラ菌にフレームシフトを起こし、これによって生じたヒスチジン要求性の菌がTA98株である。

 

 TA98株

 

TA98株のDNAにテスト物質が作用してフレームシフト変異させると、ヒスチジン要求性のサルモネラ菌が非要求性のサルモネラ菌へと変化する。

 

 代謝によって活性化する物質
遺伝子を変異させる物質がその状態のままで作用する場合もあるが、体内でテスト物質が代謝されることで活性化することもある。この場合はヒスチジン非要求性サルモネラ菌とテスト物質の他に、代謝酵素も一緒に混ぜてエイムステストを実施する。

 

 代謝

 

代謝酵素系にはシトクロム450系(チトクロム450系)、補酵素などがある。これらの代謝酵素と共に試験することで、テスト物質が代謝されて生じた物質が変異原性をもつかどうかを確認することができる。

 

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